イベントシナリオ第3回オープニング
『あなたにお花を』
「温泉とプールは本当に良かったわ、ほんと、充実したって感じ」
食堂のお姉さん、カヤナ・ケイリーが毎日の作業である食堂内の片づけをしながら、つぶやき混じりにそう話す。
「とは言っても、カヤナさんは売り子さんばかりであんまりお風呂やプールには入ってないんじゃないですか?」
そう返すのは、これもいつも通り食堂を手伝うリック・ソリアーノだった。確かにカヤナは出店で販売の仕事ばかりしていて、温泉にはほとんど浸かっていなかった。
「え、浸かったわよ、ちょっとだけだけど。それにここから近いから、今度、商売関係なく造船所のみんなとゆっくりしてくるわよ」
その時の売上を思い出しているのか、顔がかなり幸せそうな笑みに包まれるカヤナ。彼女は本当に根っからの商売人のようだった。
「そういえば、休憩所周りにお花を植えている人がいたけど、本来ならお花がたくさん咲いている季節なんですよね」
リックが温泉での出来事を思い出しながら話題を変える。確かに、本来なら季節は春。街中も含めて、もっと花が溢れてもよい季節なのだが、天候が一定で季節感がない上に、育てる余裕もない今の状況では街にはそれほど花は咲いていない。
「でも、季節はなくなっちゃっても、花が咲いているところはあるみたいよ。例えば展望台の近くとか。ただ障壁の近くだから、そのうち沈んでしまって行けなくなるかもしれないけれど」
話を受けて、カヤナが答えた。確かに展望台周辺は自然も豊かな方だし、様々な花が咲いているのかもしれない。
「それに最近治安も悪くなってるから、あまり遠出をするのも良くはないかもしれないですね……」
リックが少し気落ちした様子で続ける。確かに、最近物騒な話が多いのは事実である。
「そんな時だからこそ、明るくいかないと! ……そうね、少人数だから危ないんだし、ここはひとつ、大勢で集まってみんなで出かければいいのよ――そう、ピクニックみたいな感じで!」
カヤナはそんなリックを励ますように、一際大きな声で提案した。
「……そうですよね! 展望台はお花以外でも山や森や遠くに見える田畑もきれいだろうし、港町や造船所がある大きな池とか、水の神殿も見渡せて気分が良いですよね、きっと!」
その雰囲気を察してか、リックも元気を取り戻して調子を合わせる。こうなってくると話が早いのがこの二人だ。
「じゃあ、今度はピクニックを企画ってことで! 港町の人と、造船所で働いている人には私が声をかけるわ。少しならお弁当も用意できるかも。皆に手伝ってもらおうかな」
「それじゃ僕は、神殿と魔法学校、それから館で暮らしている人たちにも声をかけてみるね!」
あっという間に、調子よく話が進んでいく。
「注意することは――そうね、緩やかとは言え山道になるし階段もあるから、馬車や馬はなし! 徒歩で行くってことかな。後は何かある?」
「展望台には木製のベンチやテーブルがあるし、ゴザなんかも敷いてもいいから、着いた後、午後からは花見ってことにするといいかも。花摘みをしてもいいけど、あんまり一人で多く持ち帰るのはだめだよね、自然は大事にしないといけないし」
そうして、ピクニックの企画はまとまっていった。
「来られない人にも、お花をプレゼントできたらいいね」
「沈みがちな人も多いからね。あなたにお花を! ってことで少しでも笑顔になってもらえたらいいよね、こんな時だからこそ。うんうん」
リックの言葉に、カヤナもにこやかにそう返すのだった。
イベントシナリオ第3回参加案内
■スケジュール
2017/05/03 オープニング公開
2017/05/04 参加チケット販売開始(アクション受付け開始)
2017/05/12 参加チケット販売終了
2017/05/13 アクション締切
リアクション公開は6月上旬を予定しております。
■選択肢
アクション欄には、当日の行動を自由にご記入いただくことができますが、リアクションでの描写は概ね1つのシーンのみとなります。
以下から描写を希望するシーンをご選択ください。
他の方と一緒に行動をする場合は、必ず同じ選択肢をお選びください。
お弁当作り
展望台までのハイキングを楽しむ
展望台で雑談、景色を楽しむ
展望台の近くで花摘み
ピクニック後にお土産話、花を贈る
~と2人きりで過ごす(お誘い専用)
■接触可能NPC(下記に名前の無いNPCはリアクションに登場いたしません)
・展望台で会える
リック・ソリアーノ(フレンの末子)
カヤナ・ケイリー(港町出身。二十歳)
フレン・ソリアーノ(造船所所長、男爵)
ジスレーヌ・ソリアーノ(フレンの姪)
レイザ・インダー(魔術師、魔法学校教師)
ハビ・サンブラノ(魔法学校教師)
・ピクニック後に訪ねて土産話をしたり、花を贈ることが可能(みんなで訪ねます。個人的に訪ねる場合は要メッセージカード)
ベルティルデ・バイエル(ルースの侍女)
リルダ・サライン(港町組合長)
・お誘いがあれば、展望台に同行出来るかも(要メッセージカード)
バート・カスタル(港町出身、公国騎士、警備隊隊長)
・仲間限定で花を贈る、一緒に景色を見る(要メッセージカード)
アーリー・オサード
サーナ・シフレアン
※ピクニックが行われる展望台には行きませんが、どこか見晴らしの良いところで景色を一緒に観るくらいなら、出来るかもしれません。
※メインシナリオ第2回終了時に側にいる方以外については、メッセージカードを送っていただきましても、カードが本人に届くことはございません。
■ご案内
第3回イベントシナリオのオープニングを公開いたします。
イベントシナリオは、メインシナリオに参加していてもしていなくてもご参加いただけます。
時期は第3回メインシナリオと同時期となりますが、PCの状況については考えずにお気軽にご参加いただけましたら幸いです。
キャラクター同士の交流を楽しんだり、関係構築に役立てていただけます。
尚、NPCとの特別な関係は、イベントシナリオだけでは築くことはできません。メインシナリオで好感を持つような行動をとってから、関係進展を目指してください。
イベントシナリオでは、メインシナリオを進展させるための行動、提案等は採用できませんのでご遠慮ください。
リアクションはメインシナリオ第4回のアクション締切後の公開となります。
追加チケット購入で、NPCを誘ってみることができます。
接触可能NPCと接触可能な場所で皆と一緒にNPCに絡む場合は、イベント参加チケットだけご購入ください。
NPCを個人的に誘い出す、もしくは訪ねて、2人きりのシーンなどの独占描写を希望される場合は、「NPC宛てメッセージカード送付用チケット」もご購入の上、アクション締切日までにお誘い(お伺い)のメッセージをお送りください。
「NPC宛てメッセージカード送付用チケット」は複数ご購入いただけます。購入された数分、NPCをお誘いいただけますが、ダブルアクションになる可能性が高いため、お勧めいたしません。
※NPCをお誘いの場合、PC同士で遊ばれる方よりリアクション文字数が増えます為、別料金とさせていただいております。ご了承ください。
それでは皆様のアクション、わくわく楽しみにお待ちしております!