イベントシナリオ第4回オープニング
『お祝い!? 合同パーティー』
「カヤナお姉さん、もうすぐ誕生日だって聞いたけどほんと?」
「ええ、そうだけど……誰から聞いたの?」
そこはいつもの食堂。今日も造船所の皆で賑わった後のお片付け中、それもいつもの通り。そしてメンバーもいつもの二人、食堂のお姉さんことカヤナ・ケイリーとお手伝いのリック・ソリアーノだ。二人とも、手を動かしながらも器用に雑談をし続ける。
「造船所の皆が、パーティーしようって言ってたから」
そんなリックの発言に、カヤナは苦笑しながら答えた。
「それは嬉しいけれど……パーティーの料理って、私が作ることになるんじゃ……?」
二人の間に沈黙の時間が数秒流れる。確かにその通りだった。
リックは、ただただ頷くしかなかった。
「でも、その代わりじゃないけど、すごいサプライズパーティーにするよ! 楽しみにしててね!」
そして再び口を開いたリックがそう話して、そしてあることに気づき、しまった、という顔をした。
「ここで話しちゃったらサプライズにならない気がするけど?」
笑いながら返すカヤナ。そう、サプライズなら本人に話してしまっては意味がない。
リックのその顔は完全に意気消沈してしまっていた。それでも片付けの手は止めないのだけれど、明らかにテンションが落ちているのがよく分かる。
「……んー。だったらせっかくだし、誕生日や結婚記念日とかの記念日が近い人をたくさん呼んで、合同のお祝い会にしちゃったらどうかな?」
仕方ないなあ、といった感じで、カヤナはなだめるような口調で提案してみた。
それはフォローのために咄嗟に出た言葉ではあった。が、同時に良い思いつきでもあった。
すぐに自分の出したその案のメリットに気付く。
「――そう、会費制にしてさ! そうそう、前に鍋パーティーに使ったログハウスはどうかな? 前のあの……一部の人にとっては微妙になっちゃってる思い出も塗り替えられるかもしれないし!」
その瞳はリックからみても分かるくらい輝いていた。彼女の商魂スイッチがオンになったのだ。
「食事はあまり用意できないかもしれないけど、飲み物はたっぷり用意してさ。少しならケーキなんかも作っちゃおうかな……どう?」
カヤナからは矢継ぎ早にアイデアが出続ける。こうなってくると、リックもこのノリに乗らないと損、という気分になってきた。結果的にだが、カヤナの励ましは成功したのかもしれない。
「なら、一番大きなログハウスでダンスパーティーをしたらどうかな。衣装がない人にも、僕がなんとか貴族の人たちに頼み込んで用意するから。着替え用のログハウスも用意して。男女別に一つずつ用意するのは難しいかもしれないけど、交替で使えばいいし」
リックは少し考えた後、アイデアを出す。それを聞いて、カヤナの目がさらに輝き出した。
「いいわね! そこをメイン会場にして……壁際には椅子を並べて休憩してもらえるようにしましょう。外のベンチを使ってもらってもいいし。できる限りたくさんの人を呼びたいわね」
そうして、パーティーの内容はどんどん決まっていった。
その後も、イベント好きの二人は止まらない。次の日には会場を抑え、同時に日程も決まった。そこまでのカヤナの動きは迅速、の一言に尽きた。
「実はダンスって、したことないのよね。ダンスの練習、しといた方がいいかなあ……でも、お誘いなんてあるのかしらね」
そして全てが決まった後。
カヤナは、リックも帰った後の食堂で一人、いつも違う様子でつぶやいていた。
商魂スイッチの入った時の顔とも違う、年相応の女性としてのその表情を見た者は、まだ、いないようだった。
イベントシナリオ第4回参加案内
■スケジュール
2017/06/03 オープニング公開
2017/06/04 参加チケット販売開始(アクション受付け開始)
2017/06/12 参加チケット販売終了
2017/06/13 アクション締切
リアクション公開は7月上旬を予定しております。
■選択肢
アクション欄には、当日の行動を自由にご記入いただくことができますが、リアクションでの描写は概ね1つのシーンのみとなります。
パーティーは、朝から準備を行い、日が落ちる頃お開きとなります。
以下から描写を希望するシーンをご選択ください。
他の方と一緒に行動をする場合は、必ず同じ選択肢をお選びください。
パーティーの準備(飾り付け、ケーキ作りなど)
ダンスを踊る、壁の花になる
誕生日、記念日を祝う、祝ってもらう
会場で料理を楽しむ、会話を楽しむ
外のベンチで休憩
~と2人きりの一時を楽しむ
■接触可能NPC(下記に名前の無いNPCはリアクションに登場いたしません)
・会場で会える
リック・ソリアーノ(フレンの末子。ダンス並)
カヤナ・ケイリー(港町出身。21歳になります。ダンス未経験)
フレン・ソリアーノ(造船所所長、男爵。ダンス並)
ジスレーヌ・ソリアーノ(フレンの姪。ダンス上手)
レイザ・インダー(魔術師、魔法学校教師。ダンス並)
ハビ・サンブラノ(魔法学校教師。ダンス未経験)
ベルティルデ・バイエル(ルースの侍女。ダンス上手)
ナディア・タスカ(神殿長、ダンス並)
バート・カスタル(港町出身、公国騎士、警備隊隊長。ダンス最低限レベル)
※バートは半日警備担当です。
・お土産を持って訪ねることが出来る(みんなで訪ねます。個人的に訪ねる場合は要メッセージカード)
リルダ・サライン(港町組合長)
・別場所でお祝い可(要メッセージカード)
サーナ・シフレアン(16歳になります)
※メインシナリオ第3回終了時に側にいる方以外については、メッセージカードを送っていただきましても、カードが本人に届くことはございません。
■ご案内
第4回イベントシナリオのオープニングを公開いたします。
イベントシナリオは、メインシナリオに参加していてもしていなくてもご参加いただけます。
時期は第4回メインシナリオと同時期となりますが、PCの状況については考えずにお気軽にご参加いただけましたら幸いです。
キャラクター同士の交流を楽しんだり、関係構築に役立てていただけます。
尚、NPCとの特別な関係は、イベントシナリオだけでは築くことはできません。メインシナリオで好感を持つような行動をとってから、関係進展を目指してください。
イベントシナリオでは、メインシナリオを進展させるための行動、提案等は採用できませんのでご遠慮ください。
また、こちらのシナリオにご参加いただいた方は、ゲーム開始から今回までに誕生日を迎えたとすることができます。
希望される方は、アクション投稿フォームの手段欄の一番上に、その旨ご記入ください。ご記入いただいた方のみ、リアクション公開時に年齢を1つ上げさせていただきます。
追加チケット購入で、NPCを誘ってみることができます。
接触可能NPCと接触可能な場所で皆と一緒にNPCに絡む場合は、イベント参加チケットだけご購入ください。
NPCを1シーン独占する、もしくは訪ねて、2人きりのシーンなどの独占描写を希望される場合は、「NPC宛てメッセージカード送付用チケット」もご購入の上、アクション締切日までにお誘い(お伺い)のメッセージをお送りください。
「NPC宛てメッセージカード送付用チケット」は複数ご購入いただけます。購入された数分、NPCをお誘いいただけますが、ダブルアクションになる可能性が高いため、お勧めいたしません。
※NPCと過ごす場合、PC同士で遊ばれる方よりリアクション文字数が増えます為、別料金とさせていただいております。ご了承ください。
それでは皆様のアクション、わくわく楽しみにお待ちしております!